第18章 いざ、仮免許試験
「あ、おい……」
引き止めようとしたが間に合わず、行き場のない手を降ろす。
霞は前の方で観ると行ってしまった。
何だか元気がないように見える。
仮免許試験が心配なのか…?
そんな風には見えなかったが……
コイツと二人にしないで欲しかった。
「ププ、振られてやんの」
「違う」
どうして俺の周りはうるさいやつばかりなんだ。
特にうるさい金髪の男を思い出してゲッソリする。
「……霞、って言ったか?
クラウディアの本名。」
「ああ。」
ジョークがハハァーンと揶揄うような表情をした。
「アレだろ?
昔飲み行った時、酔っ払って呼んでた名前だ!」
「あ?何の話だ。」
「覚えてないだろう。
けっこう飲んでたもんな!
はっはっは、ダサかったな〜。
あの時のイレイザー!」
ジョークは大口を開けたアホ面でガッハッハと笑っている。
うるさいから無視だ。
霞の方をみると数人の男性に声をかけられていた。
にこやかに対応して握手をしている。
しばらく睨んでやると、男性らは俺の視線を感じビビって去っていった。
その様子をジョークに見られていたらしい。
「まだ好きなの?
てかまだ告れてないの?
相変わらずダッセーな!!!
イレイザー!!!」
ブァッハッハ!!!
と、また馬鹿笑いを始めた。
「うるさい。黙れ。」
つい反応してしまう。
無視だ!無視!!!
「可愛いし、イレイザーには勿体ないな!
やめとけやめとけ!
アタシと結婚する?」
「しない」
「ブッハ、しないのかよ!
ウケる!!!」
本当に絡みづらい。
ノリが合わない。
しばらくすると試験内容の説明が終わったらしく、会場が展開した。