第15章 取り戻せ、日常
学校に戻り、結果を校長に報告する。
B組の方も霞に感謝しているという意見が大多数だったようだ。
霞にも報告すると泣いていた。
「私が……少しでも力になれていたなら、良かったです……」
爆豪を目の前で攫われ、
自分が頼んで合宿先に依頼したプッシーキャッツが活動休止に追い込まれ、
救出作戦にも参加できず、オールマイトの引退。
その上、家庭訪問も人数の都合で参加させてやれなかった。
相当責任を感じていたんだろう。
「霞くん、ありがとうね。」
「そ、そんな……私なんて何も……オールマイトが頑張ってくれたからで……で、でも……でも良かったよぉ〜〜〜……」
オールマイトが霞に優しくお礼を伝えた途端、子供のように泣き出した。
うわ~ん!!と鼻水と涙でグチャグチャの顔のまま、隣にいた俺に抱きついてきた。
そんな霞を抱きとめ、良かったな。と宥める。
「相澤くんもそんな優しい顔になるんだね。」
オールマイトがニコニコとこちらを見て言った。
校長やブラドも微笑ましいと言った表情でみている。
ハッと我に返った霞は涙と鼻水をちゃっかり俺の服で拭いて恥ずかしそうに離れていった。
「とにかく、みんなお疲れ様。
今日はゆっくり休んでおくれ。」
校長の一言で、校長室を後にした。