第15章 取り戻せ、日常
オールマイトと共に、
A組の生徒たちの家を訪問する。
もっと非難されるものと思っていた。
「オールマイトの戦いみて、
こんなロックな人に教えてもらえて
ウチの娘マジブライアンサザンだぞ!!って泣いてたらしいっすもん。」
耳郎宅でそう聞き、
オールマイトには感謝しかない。
「……一杯奢ります。」
移動中、オールマイトにそう告げると
らしくない!と笑われてしまった。
爆豪の家では記者会見での俺の発言が嬉しかったと言ってもらえて、教師冥利に尽きる。
オールマイトは先ほどのお返しとばかりに「一杯奢ろうか?」と耳打ちをしてきた。
だけど、一番多かった言葉は
会見での霞の発言を聞いて……という意見だった。
「白雲先生が家族を失ったと聞いて、正直驚いたし身近でそんな怖いことがあるのだと実感しました。
我が子が生きて夢を追いかけられる、それが何より幸せな事なのだと思い知らされました。」
「白雲先生の親御さんが子供の夢を応援したように、私たちも応援しなくては!」
オールマイトと車内で意見が合致した。
「こりゃ霞くんに一杯奢らないとね。」
「そうですね。」