第15章 取り戻せ、日常
休暇を終え、
1年ヒーロー科の担任である消太くん、ブラド先生
そして受け持ちであるオールマイト、副担任である私は校長室へ呼ばれた。
「あの一件で気付かされました。
あなた一人に背負わせてしまっていたこと、背負わせていたものの大きさ……」
ブラド先生がしみじみと話した。
「私もです。
平和の象徴として立つオールマイトに頼り切っていたことを実感しました。
最後の最後で余計なものを背負わせてしまいました……。」
消太くんもブラド先生も校長も何の話だ?という顔をしている。
「ハハハ、霞くん。
あれは日頃の事務仕事のお礼だって言ったじゃないか。」
ショボンとしている私にオールマイトはにっこりと笑ってくれた。
「脅威はまだ拭いきれていない。
これからはより強固に守り育てなければならない。
そこで兼ねてより考えていた案を実行に移すのさ。
私はブラドと被害の大きかったB組へ。
オールマイトとイレイザーヘッドはA組へ。
よろしく頼むね、家庭訪問。
クラウディアは生徒たちの住む寮の部屋割りと管理総括をよろしく頼むよ。」
私は職員室に戻り、早速部屋割りの作成に取り掛かる。
生徒たちが引っ越してくるまでに済ませなければいけないことが沢山ある。
家庭訪問、すんなりとは行かないだろうな……。
副担任のくせに情け無いが、私よりオールマイトが行った方が説得力が増すだろうから当然の配役だ。
相変わらず、力になれていない自分。
せめて事務作業で力にならなくちゃ、と気合を入れてパソコンと向き合う。