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partly cloudy 【ヒロアカ】

第14章 折れない意志







記者会見が終了した。
疲れがドッと出て今にも倒れそうな程の緊張感だった。

校長もブラド先生も疲れた表情だ。


控え室に戻り、みんな無言のままソファーに腰掛けた。



「みんな、お疲れ様。」



校長が声をかけてくれた。




「白雲くんの発言で少し空気が変わったね。」


「お兄さんのこと、こんな風に公表しちまってよかったのか?」



ブラド先生が心配そうに私をみた。


「いいんです。
言いたい事は言えたし、隠すような事でもないので。」



消太くんは怒っているのか、控室に戻ってきてからひと言も言葉を発しない。
会見中はきっちりまとめられていた髪は早々にほどかれていて、表情がみえない。

怒るのも当然だ。
親友の死をダシに使われたような気分だろう。




「……消太くん。」






私と目を合わせず、消太くんは控え室を出て行った。
私、追いかけます!とブラド先生と校長を残し、控え室を出た。





「待って、消太くん!!」


控え室から少し離れたところで消太くんは足を止めた。



「お前、会見の場で何であんな事言った!
お前やお前のご両親だってマスコミに追い回されるかもしれないんだぞ!!!
わかってんのか!!!」


珍しく消太くんが声を荒げる。
親友をダシにされたとか、そんなことで怒ってるわけではなかったみたい。
相変わらず消太くんは相手のことばかり考えて怒っている。





「わかってる。
実は両親から電話があって、言われたの。
霞の言いたいように言えって。
それで霞や消太くんを守れるなら朧も本望だろうって。
それに、お兄ちゃんなら俺有名人!って喜びそうじゃない?」


ふふっ、今は亡き兄の姿を思い出し笑った。
記憶にある兄は高校生で、いつも笑顔だ。



「ったく、本当にお前ら兄妹は……。
俺を振り回してばかりだな。」



壁に寄りかかりそのまま力なく床に座った。
控え室に人が近づかないように関係者以外通れなくしてある廊下は暗く、静かだ。
私も消太くんの隣に腰を下ろした。


「白雲が昔、霞は覚悟決めたら度胸あるって言ってたの、思い出したよ。
かっこいい女だよ、霞は。」


「消太くんも、スーツ姿かっこいいよ。
後で写真とってもいい?」


「やめてくれ」



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