第14章 折れない意志
「今日も外が騒がしいな。」
USJの襲撃時の比でない程、
学校のあらゆる入り口にマスコミが張り付いている。
私、消太くん、ブラド先生は学校から出たら囲まれて質問責めにあうため、しばらくは泊まり込みだ。
もうすぐ、かねてより計画されていた全寮制度のための建物が完成するので、ほとぼりが冷めたら教師寮へと移るつもり。
とりあえず寝泊まりさせてもらっている仮眠室で私は消太くんの髪を整えていた。
「どのくらい切る?
誠意をみせて坊主?」
「ふざけるな。」
ギロッと睨まれる。こっわ。
消太くんの坊主は少し見てみたいが、似合わない気もする。
「とりあえず、肩くらいまでにしておこうか。」
「ああ…頼む。」
髪を切るための道具など揃っていないので、ゴミ袋を頭からかぶってもらい普通のハサミでチョキチョキと切っていく。
「はい、終わり。」
「さんきゅ。」
「良い男感が増し増し。
スーツ着て髭も整えたらファン増えちゃうんじゃない?
メディアに出したくないなぁ〜」
な〜んてね。と戯けてみせた。
少しでも気分が軽くなれば、と。
「……そんなの、俺もだよ。」
「え?」
「お前を記者会見なんて責め立てられる場所に立たせたくない。」
「消太くん……」
「風邪でも引いちまえ。」
ケッと面白くなさそうな表情をしている。
ほんと、ひざしくんも私に甘いが消太くんも相当甘い。
でも、私はオールマイトに宣言しちゃったから。
ここから覆すって。
だから逃げるわけには、いかない。
「ありがとう、消太くん。」