第13章 襲来
あまり上空へ上がると
遠距離攻撃を受ける可能性がある。
なるべく低空飛行で当たりを見回す。
ガス溜まりに近づいてきた。
これは吸ったらまずそう。
どうするか……
「霞先生……!」
「小大さん!!!!」
ヒュンと近付くと
小大さんの足元には骨抜くんと塩崎さんが倒れている。
3人共ガスマスクを着けている。
「2人ともガスを吸って倒れました。
鉄哲が敵を倒しに……一佳は鉄哲を追いかけて……」
「わかったわ。
とりあえず雲に乗って。移動しましょう。」
「……はい。
ガスマスクはA組の八百万さんが作ってくれました。コレ、使って下さい。」
「ありがと!よし、行くよ。」
3人を大きめに作った雲に乗せ、
上空まで上がり最短距離で施設を目指す。
一瞬で施設まで戻り、ブラド先生に生徒たちを預ける。
消太くんも洸太くんを保護し、一度戻ってきていたようだった。
「霞、今度こそ残れ!
……と言いたいところだが、
素早く生徒たちを回収したい。
お前の力が必要だ。」
「当たり前!乗って、消太くん!!」
消太くんを雲に乗せ、また上空に上がり先ほど小大さん達を見つけた所まで近付くと高度を下げた。
先ほどまであったのガスが晴れている。
誰かが敵を倒したのか……
ガス溜まりの中心だったあたりに進むと鉄哲くんと拳藤さん、そして殴られたようで顔の腫れている少年のような敵が倒れていた。
「鉄哲くん!拳藤さん!」
「霞先生!!!」
「無事で良かった……
敵を倒したのね?さすが!」
二人を雲に乗せ、敵は消太くんが捕縛布で動けないように捕らえる。
「このまま他の生徒を探そう!」
消太くんの指示で
当たりを見回しつつ、ラグドールのいた筈の中間地点へ来た。
「消太くん!あそこ!!」
岩に大量の血痕が付着し、ラグドールが付けていた猫耳のカチューシャのカケラが落ちていた。
「ラグドール!!!!」
叫んで呼んでみるも反応はない。
近くに倒れているわけでもない。
「何があったんだ……」
ガサガサ……
森の方から音がする。
私は拳藤さん達の前に立ち戦闘態勢を取る。
「誰だっ!!!」
消太くんも捕縛布に手をかけ、叫んだ。