第13章 襲来
「気をつけて!!!」
霞を先に生徒の保護に向かわせ、
俺はツギハギ男の背に馬乗りになる。
「目的、人数、配置を言え」
「なんで?」
俺は躊躇なく男の腕を折る。
ゴキィッ
「ーーーーっつ!」
「こうなるからだよ。
次は右腕だ、合理的にいこう。
足までかかると護送が面倒だ。
安心安定の運搬係も向かわせちまったしな。」
「焦ってんのかよ?イレイザー」
ツギハギ男は再度炎を出そうとしたので個性で消し、ゴキッと右腕を折った。
ドォォォーン!!!
山の方から地響きが聞こえた。
「なんだ…?」
「先生!!!」
飯田、尾白、口田、峰田が
広場の方から走って避難してきた。
生徒たちの声に気を取られた隙に
ツギハギ男に距離を取られる。
「さすがに雄英の教師を務めるだけはあるよ。
なぁ、イレイザー。それに……クラウディア。
逃げられちまったが、まあ、そっちのお使いはついでに頼まれただけだからいいか。」
「何が言いたい」
グイッと捕縛布を引っ張り、
ツギハギ男を引き寄せようとする。
しかし、男の身体がドロドロになり
捕縛布をすり抜けた。
(さっきの発火が個性じゃなかったのか!?)
「生徒が大事か?
守り切れるといいな……
また会おうぜ。クラウディアにも、よろしくな。」
バシャッと音を出しツギハギ男が消えた。
(くそッ、目的は生徒か!)