第10章 導く人
生徒たちが職場体験に向かって3日目。
今日の放課後も心操くんとランニング。
昨日の疲れもあるだろうが弱音一つ吐かず、よく頑張っている。
今日は筋トレがない分、
ランニングの距離が昨日より長めだ。
心操くんに合わせてだと
自分のトレーニングにならないので
私は私のペースで走っている。
ハァハァ・・・
今日は倒れ込まずに膝に手をついて肩で息をしていた。
「お疲れ様。
はい、水分補給はしっかりね。」
「ありがとうございます。」
今日は消太くんは来ていない。
もうすぐ行われる期末試験に向け、
いろいろと準備を進めているようだ。
私もこの後、職員室に戻って
テストを作り始めないといけない。
「俺、こんな基礎トレで付いて行けなくて恥ずかしいです。
ヒーローになりたいならもっと早くから・・・クソッ。」
またネガティブな発言をしている心操くんにチョップを食らわせる。
いてっ!っとびっくりした顔で頭を押さえてこっちを見た。
「他人と比べる癖、よくないよ~?
比べるなら過去の自分。昨日よりタイム上がってるよ!」
ホラね。とストップウォッチを見せる。
「焦らないで、一つ一つ。ね?」
「・・・はい。」
心操くんと別れ、職員室に戻ってきた。
消太くんはパソコンと睨めっこしている。
「心操、帰ったか。」
「うん、今日も頑張ってました。」
私もテストを作るべく、パソコンを立ち上げる。
しばらく集中していたが、
職員室のドアがバンッと空き、スナイプ先生が慌てて入ってきた。
「おい、ニュース見てみろ!
保須市でUSJに攻めてきた脳みそ敵が出現したらしい!」
「・・・え?」
ブラド先生が慌ててテレビを付けた。
消太くんは睨むようにテレビを見つめていた。
「ね、ねえ・・保須って飯田くんが・・確か・・・」
「・・・ああ。」