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partly cloudy 【ヒロアカ】

第10章 導く人





心操くんは拳をギュッ握った。
私の言葉、響いてくれたらいいな…


「ヒーローに……なるんでしょう?」



「……はい。なります。
憧れちまったから……なりたい。
こんな個性でもヒーローになって
この個性を人の為に使いたい……です。
俺も霞先生の先輩みたいになれますか?」



「なれるよ!
よく似てるんだ、その先輩と心操くん。」



私はニッ笑って心操くんを見た。
心操くんも少し微笑んでくれた。



「私も協力したい。
そんな凄い個性を眠らせたままなんて勿体ないもんね!
心操くんにスタートラインに立ってもらいたい。
……でもまだ新米教師だからね、
私の権限でヒーロー科に!なんてことは出来ないけど……」



「……スタートラインには自分で立ちます。
俺も強くなってみせます。
それで認めてもらいます。絶対に。」



「……うん。
でね、協力するっていうのは…
心操くんの師匠にピッタリな人がいて
指導をしてもらえるように
掛け合うことはできると思うの。
私が直接教えてあげられればいいんだけどね…」



「いえ……俺なんかの為に
そこまでして頂けるだけでも有難いです。」



「俺なんかなんて言わないの!
心操くんは凄いんだから。
私が保証するよ!頑張ろう!」



何の根拠もないけど、
私が保証した人は必ず凄い人なんだ。
これは自信を持って言える。



「……ありがとう…ございます。」



また今度、消太くんと話す機会を作るという約束をして心操くんと別れた。




一人の生徒に肩入れするな。と言われるだろうか、でも私は体育祭の時に覚悟を決めたのだ。
心操くんをスタートラインに立たせると。
その為なら頭だって何だって下げる。



ヨシ!と気合いを入れて職員室に戻る。





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