第10章 導く人
あーーーーびっくりした。
この前、ホークスと飲み行った時くらいからだろうか……
消太くんがシレッと触れてくることが増えた。
その度に赤くなって職員室を飛び出している為、他の先生方に変に思われているかもしれない。
消太くんは全然意識して無さそうだからこんなに反応してしまう私がおかしいのだろう。
慣れなきゃ!そう、慣れだ!
気にしない、気にしない。
ゴミ捨て場まで歩いていくと
見覚えのある後ろ姿が見えた。
おそらくゴミを捨て終わった所だろう。
ゴミ捨て場の前で佇んでいる。
(彼は……)
私もそのままゴミ捨て場に
職員室でまとめてきたゴミ袋を置く。
「心操くん……だよね?」
声をかけられてようやく
人の気配に気付いたようだった。
驚いたようにこちらを見た。
「あなたは……」
「ヒーロー科の副担任、白雲霞です。
はじめまして。お気軽に霞先生って呼んでね!」
「……はぁ」
暗い顔をしてすぐ俯く所も
あまり笑わない所も
高校時代の消太くんにそっくりだ。
……今もあまり笑わないが。
「ちょっと話せる?」