第9章 人知れず育つ
「それ、食べないなら貰っちゃっていいです?」
ホークスが俺の前にある
焼き鳥を指差して言った。
「ああ。」
返事をすると同時に
焼き鳥と取っていった。
「いやー、俺。
欲しいと思ったらどうにも我慢できない性分なんです。」
チラッと俺をみてホークスが呟いた。
その目線がマイクとミッドナイトと話している霞に向かう。
そしてまた俺の方を見て
「要らないなら貰っちゃいますよ?」
意味深に言った。
挑発する気満々といった目だ。
そして焼き鳥とパクパクッと頬張った。
「それじゃ、俺はそろそろ失礼します!
霞サン、また連絡しますね。」
「え、もう帰るの?」
「はい、目的は済んだので。」
チラッと俺を見た。
俺もギロッと見返す。
そしてヘラッと笑った。
なんなんだ、気に食わない。
「じゃあ、私も……」
「霞サンはまだ飲んでて下さい。
気にしないでいいから!」
「今日はマイクの奢りだから!
お代はいらないわよ?」
ミッドナイトがニヤッと
マイクを見て言った。
えー!?とマイクが驚いてる。
自分から言い出したくせに。
「いいんですか?
ゴチになりまーす!!」
ホークスは
アハハ〜と頭をかいて立ち上がった。
「外まで送ってきます!」
そう言うと霞はホークスを追って
店の外へ出て行った。