第9章 人知れず育つ
「消太くん、ミッドナイトも!
皆で飲み来たんですか?珍しい。」
「おう、霞!
奇遇だな!ザ、キグーー!」
マイクをギロッと睨むと
ヒュ〜と口笛を吹き、目を逸らした。
ミッドナイトも同じ反応だ。
コイツら、これ知ってて
連れて来やがったな……
ここで帰ったら
変な空気になるじゃねぇか。
渋々、店の中に進む。
「あ、ホークス。
同僚の先生方です!」
「どうも〜。はじめまして〜」
ホークスはにこやかに挨拶した。
ミッドナイトは良い男♡と嬉しそうだ。
「ホークスさん、
常闇の担任の相澤です。
職場体験、お世話になります。
よろしくお願いします。」
俺は頭を下げる。
生徒がお世話になるんだ、礼儀は大切だ。
「いやいや、こちらこそ〜!
俺の方が年下だし、後輩なので!
飲みの席ですし気軽に行きましょう♪」
「あら、じゃあご一緒してもいいかしら?」
ミッドナイトの発言にギョッとする。
オイオイ、まじか。
「どうぞ、どうぞ〜。
あ、何飲まれます?
唐揚げも良かったらどうぞ。」
何だか大変なことになっている。
霞は俺の方をチラチラ見て
気まずそうにビールを飲んでいた。
ミッドナイトはちゃっかり
ホークスの隣に陣取り、
マイクはホークスと霞の間。
いわゆるお誕生日席に椅子を持ってきて座った。
俺は必然的に霞の隣に腰を下ろす。