第9章 人知れず育つ
「「カンパーイ」」
私とホークスは約束通り
ご飯を食べに来た。
場所は雄英教師陣、御用達の三猿。
ホークスはこの後、博多まで飛んで帰るらしいのでウーロン茶だ。
私は気にせず飲んで下さいよ!とゆうホークスのお言葉に甘えてビールを頼んだ。
「ごめんねぇ、一人で飲んじゃって。」
「いやいや、気にしないで下さい。
急に来たの俺なんで。」
ホークスは注文した唐揚げを
パクパク食べている。
追加注文もしていた。
「体育祭、テレビで観ましたよー。
カメラ小僧のマドンナ。
笑っちゃいました。」
「やめてよ、我を忘れてたの!」
「楽しくやってるみたいで安心しました。」
「うん、生徒たち可愛いよ!
そういえばホークスのとこで
常闇くんがお世話になるみたいね、
ビシバシとお願いします。」
「エンデヴァーさんの息子さんも
指名したんスけどねー。
振られちゃいました。」
「轟くんね〜。
指名集中してたよ〜。」
先日の指名リストの作成を思い出した。
「それで?
急にご飯なんて呼び出したのは
USJ事件のことでしょう?」
「あー。それもあるけど…
ま、そんなところです。」
指でポリポリと頬をかきながら
ホークスは苦笑いしている。
「残念ながら、
ニュースで流れてる以上の
情報は出ないよー。
私、後半伸びてたし。」
「霞サンからみて、
リーダー格の男、どうでした?」
「死柄木ってやつね。
うーん、ゲーム感覚って感じだったよ。
その割に個人での実力はそこまでではなかった。
死柄木一人だったら充分対応できたと思うのよね。
厄介なのは脳無って呼ばれた敵とワープのやつだった。」
「なるほど…」
「何か参考になった?」
「昔からね、
気になっちゃうと調べたくなっちゃうんですよね。俺。」
ハハハ…と笑いながら
最後の唐揚げを頬張った。
私もつられて笑ってビールを煽った。
ガラガラガラ
「よーう、大将!!!
ワッツアップ!?!?」
聞き覚えのある声が
扉を開ける音と同時に聞こえてきた。
「あれ、ひざしくん?」