第9章 人知れず育つ
キーンコーンカーンコーン
生徒はいないがチャイムは鳴る。
「ぐうわああ~、疲れた~~~」
ブラド先生が伸びをした。
「進みました?」
「おう!振り分けは終わった!!」
ブラド先生はドヤ顔だが、
私と消太くんは振り分け後のリスト化を
半分以上進めている。
ブラド先生、終わるのかな。
「霞~!飯行こうぜ、飯!」
ひざしくんとミッドナイトが
立ち上がって手招きをしてくれている。
食堂は生徒たち優先なので
職員は各自でお弁当を持ってくるか
授業の合間で食堂を利用するかしかない。
こんな時でないと他の先生と食堂で仲良くランチなんてなかなかできない。
「相澤先生とブラド先生も行きます?」
「俺は寝る。」
「俺は弁当持参だ!」
それぞれが答えた。
「やっぱりランチラッシュのご飯が
一番美味しいな~~~!!!!」
私はオムライスを頼み、その美味しさを堪能している。
「霞ちゃんは料理するの?」
「しますよ~。
一人暮らし長かったし、それなりにですけど!
ミッドナイトは??」
「アタシはしないわね!
可愛いペットたちがしてくれるの」
「深く聞かないでおきます。」
私は再びオムライスを口に運んだ。
「マイクはするの?」
「俺はほぼ外食っすね!」
外食か~。
博多の駅前の焼き鳥、久しぶりに食べたいな~。
なんて、良く通ったお店の味を思い出すと
一緒によく通った後輩の顔が浮かんだ。
「あ、外食で思い出した。
ホークスに電話しなきゃいけないんだった!」
「ホークスって・・あのホークス?」
「はい、連絡欲しいって言われてて!
食べ終わったので、電話してきます~」
いってらっしゃい。
ミッドナイトとひざしくんが手をひらひらと振っている。
「ホークスって、No.3のホークスでしょう?
連絡欲しいって!?!?つまり!?!?きゃ~!!」
「イレイザー!ピンチ到来~!!!
これは親友のためにひと肌脱がなきゃな!!!」
何々!?、だからコレコレこうして~、ふんふん・・・
ひざしくんとミッドナイトがコソコソ話していたのを私は知らない。