第8章 励め青春
雲で緑谷くんを運ぶ。
「緑谷くん…
かっこよかったよ。
轟くんを救おうとしたんだね。
でも……無茶しすぎだよ…。
私、心配だよ……。
自己犠牲を履き違えないでね。
君のようなヒーローが生きて沢山の人を救わないとダメよ。」
意識のない緑谷くんに話しかける。
もちろん返答はなかった。
緑谷くんを送り届けてから
爆豪くんに爆破された切島くんを運び
轟くんに凍らされた飯田くんを運んだ。
ついに決勝。
そろそろ私も限界が近い。
私の個性の雲は身体の脂質から生み出される。
数多く使いすぎると
身体機能が著しく低下してくるのだ。
轟くん VS 爆豪くん
轟くんは緑谷くんとの対戦から
動きに迷いがあるように見える。
頑なに使わなかった左側を
緑谷くんとの対戦では使った。
……何かあるのかな。
私で力になれる事があれば良いが
一教師にできる事など限られている。
乗り越えてくれるといいな。
「負けるな!頑張れ!!!」
緑谷くんが応援席から叫ぶ。
轟くんが炎を出した。
爆豪くんが攻撃を繰り出す。
今度は吹き飛ばされないように
セメントス先生の椅子を掴んだ。
ドカァーーーン
爆風が晴れると轟くんが倒れていた。
爆豪くんはふざけんなよ!!と
叫び意識のない轟くんに
殴りかかろうとしている。
「ミッドナイト!!!!」
私はセメントス先生よりも早く
ミッドナイトに呼びかけ
フィールド上に駆け出した。
私が到着するよりも早く
ミッドナイトが眠り香を放ち
爆豪くんを眠らせる。
「轟くん、場外!
よって爆豪くんの勝ち!!!」
ワァァァァ!!!!
と観客席から声があがった。
なんとも言えない決着だ。
最後の一瞬。
轟くんは炎を消した。
爆豪くんはそれを怒っていたのだろう。
「2人とも、お疲れ様。」
私は意識のない2人に声をかけ
雲を出して2人を運んだ。