第8章 励め青春
午後の部。
始まってすぐに実況しているひざしくんの
叫び声が会場に響く。
『どおおした!A組ィ!?!?』
私は昼休憩を終えてから
レクリエーションの準備を手伝いにグラウンドに来ていた。
「可愛いいいいい!!!!」
私の目がキラキラと輝く。
A組の女子たちがチアガールの衣装を着ていた。
どうやら峰田くんと上鳴くんにそそのかされたらしい。
グッジョブ。
キャーキャー言いながらシャッターを切る。
こっち向いて~!!!
本場のチアに負けてない可愛さ!!!!!
ああ、B組の女子メンバーにも着てほしかった~~!!!
なんてブツブツ言いながら可愛い教え子たちの姿を
写真に収めるべく奮闘している。
『おっと、ここで紹介しておくぜぇ〜!
あのカメラ小僧と化しているのは
新人教師クラウディア~~~~!!!
うちのマドンナ、ルックアットプリ~ズ!!
生徒への愛が強すぎるぜ~~~~!!!!!』
『余計な実況せんでいい』
実況席からマイクを通して
声が聞こえたがそんなことは
お構いなしにカメラを切る。
「霞先生、ちょっと恥ずかしいんだけど…」
短めのボブカットのロッキンガール、耳郎さんが恥ずかしそうにモジモジと呟いた。
それを聞いて私はハッとする。
「ご、ごめんね!我を忘れてた…」
もちろん最後に恥ずかしがる耳郎さんの写真も収めた。