第8章 励め青春
競技場の廊下を足早に移動する。
向かう先は実況席!
バンッとドアを開け、
実況席の椅子でグゥグゥと寝ている
消太くんに声をかける。
割と大きめの声で。
「さあ!包帯を変えるお時間です!」
「……ゆっくり寝る間もないのか」
行きますよ!!!と
消太くんの身体を支え
実況席から立ち上がらせる。
「教師用の控え室に包帯準備してあるから!
リカバリーガールは今日大忙しだから、私が消太くんを見るように言われてるの。」
「婆さんが大袈裟なんだよ」
「本来なら絶対安静なのよー!?」
「なら寝かせといてくれ」
ああ言えばこう言うな…
とジト目でミイラマン、もとい消太くんを見ながら廊下をゆっくりと移動する。
「あら!クラウディア!!
良かったわぁ、会えて!!!」
「マッスルレディ!?」
雄英高校に赴任する前に
お世話になっていたヒーロー事務所の所長。
見た目はムキムキゴリゴリのおじさんだが中身はとっても乙女なヒーロー。
「見に来てくれてたんですか!」
「そうなのよ〜、
ついでに貴女の顔も見たくて!」
バッチーンとウインクをしてきた。