第1章 case*1 リヴァイ·アッカーマン
が転任してから早くも半年が過ぎた。
生活にも学校にもすっかり慣れ始めていた。
の気さくな人柄から病人のいない時の保健室はいつも賑やかだった。
の隣人でもあるリヴァイは度々保健室に訪れては仮眠室のように扱うだけで、変な素振りは一切見せなかった。
家と学校を往復する毎日の中で、最寄りのコンビニとスーパーとドラッグストア、昔ながらの喫茶店がのライフラインになっていた。
コンビニはほぼ毎日と言うほど帰宅途中に寄っていた。
好きなお菓子にパン、甘めのお酒、休日の前日には少しお高いアイスを買うのが小さな楽しみだった。
爽やかで真面目そうな雰囲気の店員さんとも軽く会話をする間柄になっていた。
忙しくとも充実した毎日を送るの生活に、ぽたりぽたりと黒い雫が落ち始めた。
ある日帰宅をすると自室のドアノブに紙袋がかけられていた。
何だろうと中身を確認するとの好きなお菓子が入っている。
友人には引越し先を伝えていない、自分を訪ねるとすれば両親くらいなもの。
しかし両親は遠方なため連絡もなしに訪れる訳がなかった。
(……誰が…)
はすぐに家の中へ入り紙袋ごとゴミ箱へ捨てた。
それから数日間は警戒をして過ごすものの何事もなく時間は過ぎ去った。