第1章 💙💛 塩キャラメル
俺はかずに覆い被さったままもう一度キスしようとした。
そしたら、かずは寸前のところで俺の口に手を当てる。
「え…なんで?」
かず「もうすぐ親帰ってきちゃう…さと、どうせ止まんないでしょ」
あ、もう夕方でここはかずの部屋だった。
ていうか、止まんないでしょって…俺どんなイメージよ!
って内心ツッコみたくなったけど、
あながち間違いじゃない気がして大人しく離れた。笑
2人でベッドを背もたれにして床に座る。
気になってたことを聞いてみた。
「かず、何で俺の告白受けてくれたの、両想いって思ったことなかったけど」
改まると一番気になるのはそこ。
かずは途端に黙り込む。
あれ?聞いちゃダメだった?
やっぱり流れでOKしてくれただけなのかな、とか思って
かずの方を見れないでいたら、かずが突然大声を出した。
かず「俺は中学の時からさとのこと好きだったから!」
かずが大声出すなんて珍しくてびっくりする。
中学の時?願書提出が初対面だと思ってるんだけど…
・
・
・
だめだ。まっっったく思い出せない。
「ごめん、何のこと?」
今度はか細い声で説明してくれる。
かず「…中学の模試の時、受験番号が隣で…、字キレイだな…って思って、べ、べつにカンニングしたわけじゃないよ?解答用紙を前に送るときにちょっと見えただけっ」
かず「で、顔見たら、タイプだっ…たってだけだよ…」
どんどん声が小さくなって顔も下を向く。
可愛すぎてもっと顔を見たくなって無理やり俺の方に向かせた。
俺の中での初対面の時、かずに睨まれかけたのを思い出して
思わず意地悪してしまう。
「願書の時覚えてる?笑俺、かずに不審がられたんだけど、」
かず「あれはさとが悪いもん。こっちじぃっと見てくる人がいたら誰でも怖いでしょ…!でも見てからすぐ、あってなって。さと、すぐ前の椅子移っちゃったから…ごめんね」
一生懸命釈明するかずが本当に可愛い。
またキスしようとしたら、玄関の鍵が開く音がした。
かず「残念でした!!笑」
やっぱり止まらなくて
最後に一度触れるだけのキスをした。
かずのお母さんは晩ご飯食べていきなーって言ってくれたけど
また今度外で会う約束をして。
激動の1日を振り返って嬉しさで顔がニヤけるのを抑えながら
家に帰った。