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白を厭い、白に憧がる【ONE PIECE】

第4章 白い道【2】


「…お前と、、、いや、それなら本は好きか?」

『えぇ。知らない知識を得るのは楽しい。
…ただ、その医学書を読むにはまだ知識不足だったみたい。』



「…俺の、俺の部屋にはもう少し簡単な本もあるが、、、読むか?」

『いいの?』

「あぁ。」

『でも、私はクルーでもないし、船に乗せて貰ってるのにそんなことまでしてもらうのは申し訳ないわ。』

「お前も俺達に覇気やら航海術やら教えてるだろ。それの礼だ。」

『それは、病気の治療の対価でしょう?』

「まだ治療もしてねぇし、対価は鷹の目から貰う予定だ。
患者でまだ16のガキに対価は求めねぇ。」

『え…?』




おじさまの手紙には、私の知識と経験が対価だと書いてあった。

この船で持ち得る力を存分に使うように、とも書いてあった。


どういうこと?

おじさまは私に何を隠しているの?

おじさまは私の病の為に何を支払うの?


ローが極悪人ではないことはわかっているけれど、知らないということは怖い。



『ロー、おじさまが支払う対価って何?』

「…まだ鷹の目にも正確に言ってねぇ。
そしてこれは俺と鷹の目の取引だ。お前が知る必要もねぇ。」

『でも!』

「安心しろ。首を差し出せ、だとか物騒な要求はしない。」

『…危なくない?』

「あぁ。鷹の目に危険が及ぶことはない。」

『…そう。』



ローは何も話す気はないらしいし、おじさまに危険が及ばないなら、これ以上聞いても無駄だろう。

でも、、、ローが欲しいものってなんだろう。




「あとで俺の部屋に来い。お前でも読めるような手頃な本を貸してやる。」

『…ありがとう。』


私は少しぬるくなったジンジャーティーを喉に流し込んだ。
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