第4章 白い道【2】
「…ヤバぇな。」
「あぁ、マジでヤベェ。」
「…」
久々にキャプテンの本気を見た。
真剣じゃ無い分、切断系の技は出していなかったが、キャプテンの瞬間移動についてこれた人は初めて見た。
それで、何が1番怖いって、、、
「…キャプテンもカラも、楽しそうに見えたのは俺だけか?」
「俺も思った。」
「俺も。」
よかった。俺の目がおかしいわけじゃ無かった。
楽しげに打ちあう2人の笑顔は怖くて怖くて仕方がない。
キャプテンの笑顔が怖いのはいつものことだ。
カラのあの、花が咲いたような綺麗な笑顔も、試合の中で木刀を振るいながらのそれを見た後では悪寒を感じる。
「俺さ、思うんだけど、、、俺ら覇気とかそんなレベルじゃなく無いか?」
2人の試合で身に染みて感じた。
キャプテンにかなり手加減をされないと試合にならない俺たちと、本気のキャプテンと覇気を使って互角なカラとはまるでレベルが違う。
「俺も思ってた。シャチは?」
「俺昨日の初稽古から正直覇気とか無理ゲーだと思った。」
「だよな〜」
ベポもシャチもそう思ったらしい。
そこで明日からは各々、覇気よりも基礎的な戦闘力をあげようと心に決めた。
『ご飯、できたよ。』
試合を終え、ローと私は覇気の修行、シャチ達は刀を振ったり、ベポはカンフー?のような俊敏な動きをしていた。
シャチのお腹の虫が鳴いた所でそれぞれ交代でシャワーを浴び、私もそのあとすぐに食事の準備をした。
炊き込みご飯に塩鯖、豚汁、、、食卓の上に並べて、みんなを待つ。
「おおおおおお!!!炊き込み!俺これめっちゃ好き!しかも塩鯖と一緒か!たまんねぇな!!!」
『へぇ、シャチ好きなんだ、覚えておくわ。私も炊き込みご飯と塩鯖の組み合わせは大好き。美味しいよね。』
「だよな!もう最高だ!」
シャチは興奮気味にそう言った。
どうやらハートの海賊団の人たちは食によってかなりテンションが左右されるらしい。