• テキストサイズ

白を厭い、白に憧がる【ONE PIECE】

第4章 白い道【2】


まずいな…


初めに体勢を崩してから、あまりいい流れとは言えない。


遥かに体力の劣る私はなるべく早く決着をつけないと負ける。





ヒュッーーーーーーーガッ!





「!」






バシッ!!




「…チッ」








私はローが振り下ろした木刀を、覇気を纏わせた左手で受け、右手で木刀を振ってローの体を打った。
ローは後ろに飛び、やっと距離を作れた。






『…ふぅ。』








精神を研ぎ澄まし、ローの気配だけに集中する。
例えローが瞬間移動したとしても、見聞色をしっかり使えれば必ず捕らえられる筈。






「Room、シャンブルズ」





ーーーーーーー左後ろ、頭の少し上





ガッ!





「…はっ、」






ギリギリ、間に合った。
おじさまなら、いや、もっと覇気を自在に扱える人なら、容易く避けられる筈だ。
私はギリギリの所で受けるのが精一杯。
未熟な証拠。







 
「メス」

『っあ!』








胸元目掛けて飛んできた手を慌てて避ける。
手のはずなのに、刃物のような、何か嫌な予感がした。






『っはっ!』






体勢を崩しながらも、その中で体重を乗せ、精一杯の力で振り下ろす。
ローも真っ向から受けるようだ。







バキ、、、メキィ!!!







私とローの木刀が2本とも折れた。






『はぁ、はぁ、はぁ、、、引き分け、?』

「…はっ、はっ、、、らしいな。……チッ」







ローは折れた木刀を放ると、脇に置いてあった水をがぶ飲みした。
私もその場に座り、少し休む。







『…でも、楽しかった。』







久しぶりに高揚した。
おじさまの稽古とは違う、お互い本気の手合わせ。
こんなにも滾ったのはいつぶりだろう。いや、初めてかもしれない。







「俺もだ。」






ローは口元の水を乱暴に拭き、ニヤリとした笑みをうかべた。
/ 291ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp