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白を厭い、白に憧がる【ONE PIECE】

第4章 白い道【2】


朝、朝食はローはおにぎり、私達はサンドイッチだ。


「うおぉ!船でパンなんて何年ぶりだ!?」

「よくキャプテン買うの許したな。」

「本当。」


船でのパンはかなり珍しかったようで、3人とも目をキラキラさせながらそれを見る。


『ローがね、3日間朝はおにぎり、夜は焼き魚にしたら買っていいって言ってくれたの。』

「それでも信じられねぇ、ウチの船の飯でパンが出てくるなんて、、、」

「俺たち隠れて買おうものならバラされたのに。」

「カラすげぇ。」




…なんだか不穏な言葉が聞こえたが、それよりもおにぎりをじっと注意深く観察しているローの方が気になる。




『大丈夫よ、ロー。おにぎりの中身は明太子と昆布と鮭だから。』

「あぁ。」



ローの顔は安心したように少し綻び、おにぎりに手を伸ばす。 



「…うまい。」

『ふふ、ありがとう。』

「あ、そうだキャプテン。島が近付いてるみたいだから今夜か明日くらいから寒くなると思うよ。」

「わかった。…お前ら厚着しとけよ。風邪なんか引かれたらめんどくせぇ。」

「「アイアイ!」」



ローはそれだけ言って黙々とおにぎりを食べた。


いつものように邪魔な髪を縛り、洗い物を済ませ、ベポとの勉強も終わらせて、看板に出る。
瞑想していたローがドアの音に目を開け、準備していたであろう木刀を投げてよこす。
私もそれを黙って受け取り、笑みを浮かべる。
ローも猛獣のようなギラギラとした目と弧を描く口元をこちらに向ける。



「覇気でもなんでも勝手に使え。お互い手加減なしだ。」

『ええ。わかったわ。』



視界の端にベポ達を見つけた。
邪魔にならないように船の窓からこちらを覗いている。



私たちの間に冷たい風が吹いて



ー止んだ。







「Room、シャンブルズ」


『!?うっ!』



ーガン!





目の前にいたローが一瞬で背後に移動して思い切り木刀を振り下ろしてきた。
反応が少し遅れた私は受けきれずに飛ばされる。



「インジェクションショット」

『…くっ』



すかさず体勢を立て直すが、その時をローが見過ごす筈もなく強烈な突きが襲う。
まるで肉食獣のように、一分の隙間与えずに獲物を追い詰めて行く。
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