第4章 白い道【2】
「っ!」
ヒュッ、シュッ、、、ヒュッヒュッ!
右上から、真上、横、、足元、、、っと、
足を払おうとしたローから距離を取って飛ぶ。
「あぁ!危ない!!」
大丈夫、
スタン!!
私は船の手摺りの上に着地した。
すぐ後ろは海だ。
『こんな感じ。』
「…何故、躱せる。」
『気配で分かる。』
「…」
「まじ焦った、、、」
「絶対今の落ちたと思った…」
「すご、」
『見聞色はこんな感じで相手の動きが先読みできる。
そしたら目を瞑っていても避けられる。それも動きを最小限にして。』
「それが出来るようになれば無駄な体力を温存できるようになるな。」
『ええ、そうね。
じゃあ、次は武装色。これは目で見えるから分かりやすいわ。』
私は船の手摺りから降りて、ローの近くへ飛ぶ。
『見ててね。』
私は袖を巻くって肘から下を晒し、武装色の覇気を纏わせる。
「っ、なんだ、、、肌が、黒く…」
「うぉっ!マジか!カラ!俺にも見せて!」
「俺も!」
影からひっそりと眺めていた3人が走ってきた。
「うわぁ、これ、どうなってるの?」
『じゃあ、ベポ、触ってみて。』
「えっ!」
『大丈夫だから。』
ベポは恐る恐る、私の腕に触れた。
「うわ!硬い!キャプテン、とっても硬いよ!!」
『この硬さはそのまま攻撃力にもなるし、この前も言ったけれど、自然系の能力者にも触れられる。』
「すっげぇ!カラ!俺にも教えて!」
「俺も!」
「俺も!!」
『いいよ。すぐにできるようになる訳じゃないから、頑張らないとね。』
「大体、どれくらいでできるようになる?」
『私はここまでできるようになるのに5年かかった。』
「「「5年!?」」」
『えぇ。それでもまだおじさまには勝てたことないし、この覇気もただ出来るだけで、そんなに精度の高いものじゃない。
私が教えられるのはあくまで基礎だけね。』
「十分だ。」
『それじゃあ早速、始めましょう。』
私達はこの日から、覇気の修行を始めた。