第4章 白い道【2】
『そうだ、この機会にみんな食べられないものとかあったら教えて?
アレルギーとかも。』
「俺も含めてこいつら全員アレルギーはない。俺はパンと梅干しが死ぬほど嫌いだ。それ以外はなんでも食べられる。」
流石医者。全員分のアレルギー検査も済んでる。
「うーん、俺は生の肉が嫌い。食べられない訳じゃないけど、出来るならしっかり焼いて欲しい。」
『お刺身とかは大丈夫なの?』
「あぁ。魚は好きだ!だが、どうも生肉の血の味がどうも好きになれん。」
『了解。シャチは?』
「俺は特に思いつかねぇな。俺のは気にしなくていいよ。なんかあればペンギンの皿に入れるから。」
『ふふ、わかった。ベポはどう?』
「俺は食べられないもの何もないよ。強いて言えば、生の鮭がちょこちょこ食べたい。」
『鮭ね。じゃあ今晩焼く予定の鮭は生で出そうか?』
「うん!やった!!」
それから、ようやくひと段落して、船は安定した航路を辿っていた。
私もおにぎり乗っていた皿を洗って、鍛錬でもしようと看板にでる。
「カラ。今暇か。」
『えぇ。どうしたの?」
「覇気を、教えてほしい。」
ローの手には2本の木刀。その瞳はギラついていて、猛獣のそれを彷彿させる。
『いいよ。
先ずは、、、見てみる?』
「あぁ。」
『了解。じゃあ、私は今から目を瞑ってるから、どこからでもソレで打ってきて。寸止めとか手加減とかしなくていいから。』
どうぞ。
そう言って私は目を閉じ、神経を研ぎ澄ます。
ローの気配だけでなく、さっきからちらちらとこちらを見ているベポたちの気配も。
『ロー?』
全く打ってくる気配のないロー。
どうしたのだろうか。
「いや、、、お前、何を言っている。」
『見聞色、やってみせるから、打ってきて?
大丈夫。当たらないから。』
「…文句言うなよ。」
『もちろん。』
私は再び目を閉じ、気配を探る。
ーヒュッ
ガン!
ローの振った木刀は私には当たらず看板を強く打った。
「え!」
静かな看板にシャチの声が響く
『ロー、もっと。躊躇わないで、続けて打って。』