第4章 白い道【2】
どうしよう、ローが動かない。
おにぎりには塩と海苔と米と具材しか入ってないはず…
もしかしてアレルギーでもあったのか?
それならまずい。聞いておくべきだった。
それが命に関わることもあることくらい知ってた。
食事を担当する者として最低限聞いておかなければならないことだ。
いや、それより、、、
まずはどうすればいい?吐かせた方がいいのか
いや、待て。そもそもアレルギーだと決まったわけでは、、、
「カラ、大丈夫、落ち着いて、、、お水貰える?」
『う、うん。』
軽くパニックになりかけていた私はベポから言われるがまま、水を注いだ。
「キャプテン?まぁ、仕方ないさ、カラも知らなかったんだから。ほら、水。」
ペンギンは私から受け取った水をローに渡す。
ローはそれを受け取って一気に飲み干した。
『ろ、ロー?大丈夫?』
ローはゆっくりと顔を上げ、私を鋭い目で見た。
「………………カラ、俺は梅干しが死ぬほど嫌いだ。」
『…え、あ、、、そう、なんだ?』
「…二度とおにぎりに梅干しは使うな。」
……………………ん?
『…梅干しのせいで固まってたの?』
「…」
「キャプテン、俺が食べてたのおかかだから、これあげるよ。」
「俺のは鮭だから。」
ペンギンとベポがローにおにぎりを渡す。
鮭が大好きなベポが渡すくらいだ、梅干しはローにとってかなりのダメージになるらしい。
シャチは自分のおにぎりが梅干しで、ローのもそうかもしれないと思って止めたらしいが、少し遅かったようだ。
『え、あの、、、命に、問題は、、』
「ないよ、ないない。大丈夫。」
「うんうん。ただの好き嫌いだから。」
『…よかった、、、』
本当によかった。
私は安心して、椅子にドサリと座り込んだ。
「おわっ!カラ、大丈夫か?」
『うん、命に関わったらどうしようかと、、、本当によかった、』
「ほら、キャプテン、カラ心配したんだってよ?」
「…悪かった。」
『いや、、私も確認しなかったから、、、こちらこそごめんなさい。そんなに苦手なものだとは知らなかった。』