第4章 白い道【2】
「死の外科医、トラファルガー・ロー!
直ちに投降せよ!繰り返す!!直ちに投降せよ!!」
海軍はそれだけ言って、船を沈める気なのだろう、大砲を構える。
「出すぞ。」
「アイアイ!」
ローのその一声で、船は出港した。
その様子を私は船室の窓から眺めていたが、岸の方の海軍は投降に応じずに出港したロー達にひどくお怒りのようだ。
ヒューーーー
大砲を放ってきた。
三発、、、あれ、一発もろに当たりそうだが、、、
「Room、シャンブルズ」
ドカン!!!
ローが少し指を動かしただけで、直撃しそうだった一発は海軍の元で爆発した。
「タクト」
その他の二発もさらに横に逸れ、船には水しぶき一つかからなかった。
『…凄い。』
ローの能力を実戦で見るのは初めてだ。
ローの能力を把握しきれていなかったのか、岸の海軍は総崩れだ。
船は無事出港し、射程圏から脱出した。
『オペオペの実の能力って凄いのね。』
「うん。俺、キャプテンが負けたの、この前初めて見たもん。」
『それって私とやった時?』
「うん。」
『あの時はロー、能力使ってなかったから、、、』
「でも、俺もキャプテンと手合わせしたことあるけど一回も勝てたことないよ。」
ベポは楽しそうに笑う。
「腹減った、、、カラ、飯、、、」
『そうだ、ご飯まだだったね。おにぎりにしたの。はい、どうぞ。』
私はみんなの前におにぎりの大皿を置いた。
「おっ、キャプテン良かったじゃん。」
「あぁ。」
ローはそれだけ言うと、さっさとおにぎりに手を伸ばす。
「うま〜い!働いた後の飯は最高だな!」
「働いたって、、、海軍追い払ったのキャプテンじゃん。」
「その前にちゃーんと帆張ったり色々……待って、、、キャプテンストップ、食べないで!!!」
シャチが物凄い形相でローの手元からおにぎりを取ろうとした。
『?』
ガタガタガタッ!!!
『えっ!?』
「あちゃー、ちょっと遅かった、、、」
ローが激しく椅子を引いて、帽子を深く被っり、片手におにぎり、もう片方の手は力一杯握りしめていた。
どうしたのだろう。
心なしか震えてる気がする。
『…何か、入ってた?』