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白を厭い、白に憧がる【ONE PIECE】

第4章 白い道【2】


ローと船に戻ると、ベポ達も丁度帰ってきたようで、わいわいと賑やかな声が聞こえていた。


「お、キャプテン、カラ、おかえり〜」

「あぁ。」

『ただいま。』

「キャプテン何その荷物。」

「服だ。次の島は冬島らしい。」

「やった!冬島!!」

『ベポ、冬島好きなの?』

「うん!俺は白熊だから寒いのは好きだ!!」


確かに。
夏にその毛皮はかなり厚そうだ。


「おぉっ!いいな!これ!!お揃いだ!」

「本当だ!…って、キャプテンは違うのかよ。」

「俺がんなもん着るわけねぇだろ。」

「ひでぇ。」


ツナギは好評のようだが、ローが着ないのはご不満のよう。


『あっ!そうだ。ペンギン、シャチ、これ被って!』


私は紙袋から帽子を出して渡した。


「ん、、、ペンギン?」

『被ってみて!』


2人はそれぞれ自分の名前の動物を模した帽子をかぶった。


『〜っ!かわいい!!』


2人ともローまでとはいかないがかなりの長身だ。それに顔も整っている。
そんな2人がペンギンのマスコットが乗った帽子やシャチを模した帽子を被ってる、、、

とにかくかわいい。



『…あれ、もしかして気に入らなかった?』



4人とも、2人の帽子ではなく、私の顔をみて唖然としているように見える。
もしかして、そんなに気に入らなかったのだろうか。



「ん?いや!そんなことはない!こんな帽子滅多にないからな!」

「あ、あぁ!嬉しいぞ!とっても嬉しい!」

『そう?』

「あぁ!ただ、俺的にはかわいいよりカッコいいっていって欲しいがな!!」



ガハハっとシャチは笑って言った。
よかった、気に入らなかった訳じゃないんだ。












俺に帽子を被せてかわいいとはしゃいでいたカラ、初めてみた年相応な姿に驚いた。

大人の雰囲気を醸し出し、落ち着いた振る舞いの多いカラ。

あんなに弾けたように笑うのを見て、不覚ながら胸が跳ねた。

ここ最近、カラは色々な表情を見せるようになった気がする。

すっかり忘れていたが、この子はまだ16の女の子だ。

例えどんなに強くても、この船の中では最年少、本来なら、まだ親の元で守られているべき年齢だ。

それを自覚した俺はペンギンの帽子を深く被り、この笑顔を守ってみせる、と心に決めた。
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