第4章 白い道【2】
正直、もう少し近場にあると思っていた。
俺は頭の中で練っていた理想の治療計画が崩れていくのを口惜しく思いながら、さっさと切り替えて店主に再び問う。
「この次の島について何か知っているか?」
「えーっと、確かこの次は、、、ドラム王国だね。」
「っ!ドラム王国、、あの、医療大国のか!?」
「そ、そうだね。なんだい、兄ちゃん、医者でも必要なのか?」
医療大国ドラム
父がよく話していた。
医者ならば一度は訪れたいと。
それほど医療が発達しているなら、フレバンスでは学べないことも沢山学べるだろう、と。
俺自身、興味はあったが、まさか行けるとは思っていなかった。
それに、ドラムならば、拍鉛病についても何か資料があるのかも知れない。
「まぁ、そんなとこだ。」
「そうかい。あんまり詳しく知らないけど、冬島で年中雪が積もるほど寒いと聞くよ。あったかくしていきな。」
「あぁ。助かる。」
俺はそれからいくつか店主に尋ねて、カラのいるエターナルポース売り場の前へ行った。
『あ、ロー。』
「これか。」
そこにはズラリと並ぶエターナルポース。
島の名前が彫られていて、その島を指しているらしい。
「良し悪しとかあんのか?
店主はこの辺の近郊の島と、世界的にかなり有名な島以外は覚えていないそうだが。」
『まぁ、これだけ種類があればねぇ。
どんな島かわからないなら勘で選ぶしかないんじゃない?
さぁ、どれにする?』
考えてもわからないなら仕方がない。
俺は適当に目についたエターナルポースを5つ手に取った。
5つもあれば1つくらい当たるだろう。
これから行く島にエターナルポースの売っている店が有ればまた買えばいい話だ。
俺はその5つと、ウォーターセブンのエターナルポースを買った。
横でカラがまた別のエターナルポースを買おうとしているのが見えた。
「それはどこのだ?」
『え!あぁ、コレ?クライガナ島。前までおじさまと住んでた所。』
「貸せ。」
俺はその分もまとめて金を支払った。
「ほら。」
『え!いや、お金払う!』
「うるせぇ。もう払ったからいいだろ。」
そもそも何故別で払おうとしたのかがわからねぇ。
まだ横でギャーギャー騒いでるのを無視して、歩みを進めた。