第4章 白い道【2】
「覇王色、か。」
『これが出来る人はかなり稀なんですって。
だから、まずはその他の二つからね。』
「あぁ。そうだな。」
そうこうしているうちに、エターナルポースを売っている店に着いた。
やっぱり、栄えてるだけあって、沢山ある。
私はズラッと並んだエターナルポースを眺めていた。
ローはその間、店主と何やら話をしているが、大して気にも留めない。
それより、私は1つのログポースに釘付けだった。
【クライガナ島】
おじさま、今どうしてるだろう。
あれから連絡を取ってない。
何度かでんでん虫を掛けようと思ったけれど、いざ掛けようとすると、躊躇ってしまう。
でも、、、連絡もできないなら、何か、何か別のものでおじさまと繋がっていたかった。
おじさまが置いてあったコートや手紙、荷物、、、それだけじゃ足りない。
おじさまが居ない世界で生きていくのは、まだ怖い。
今までずっと一緒だったの。
いつも私を見守ってくれていたあの暖かい目も、大きな手も、今は何もない。
でも、これがあれば、いつでもあの家へ帰れるでしょう?
この針が指し示す先にはおじさまがいるのでしょう?
私は実際におじさまの行方が感じられるこのエターナルポースを握りしめ、購入を決めた。
「…いくつか、尋ねたいことがある。」
「なんだい、兄ちゃん。海賊かい?」
「そうだ。新しい船が欲しい。このグランドラインには世界一の造船所があると聞いた。その島へはこの航路で行けるのか?」
「ウォーターセブンのことか。いや、ログポースを辿るならこの航路からは行けないねぇ。でもあの島は有名だからエターナルポースならどこでも手に入る。ウチでも売ってるよ。買っていくかい?」
『あぁ。もらってく。その島は遠いのか。』
「ここからだと結構遠いね。ウォーターセブンは確か、レッドラインの一歩手前だった筈だよ。」
海賊だと聞いてもさして驚かないこの店主。慣れとは怖いものだ。
ウォーターセブンが遠い以上、カラの治療もそこまで待たなきゃならねぇ。
俺はその事実を知り、人知れず小さく舌打ちをした。