第4章 白い道【2】
「それなら俺も聞きたいことがある。」
『何?』
「偶にお前が言う、【ハキ】ってのはなんだ。」
『あぁ、覇気?』
「それは何かの能力なのか?」
『…能力、といえば能力、かもしれないけど、、、悪魔の実とは全然違うの。
あんまり上手く説明出来ないかもだけど、それでもいい?』
「あぁ。構わない。」
私は昔、おじさまに教わった時のことを思い出しながら話し出した。
『覇気っていうのは、大きく2種類に分けられる。
1つは【見聞色の覇気】。相手の気配を強く感じとる力。
次の瞬間、相手が何をしようとするのか分かったり、相手の力量を把握したり、部屋の外から中の会話を聞くことができたりする。
私にはまだできないけど、、、島にいる生き物の数や強さを把握できたり、世界には少し先の未来が見えたりする人も居るみたい。』
ローは私の拙い説明も真剣に聞いてくれている。
何か考えているような感じだ。
『もう一つは【武装色の覇気】。
この覇気の最も有効な所は、自然系の能力者に触れられること。』
「自然系に、、、触れる、だと?」
『そう。自然系の能力者は実体がないけれど、この覇気を纏うことで攻撃が可能になる。その上、この覇気は武器にも纏わせることができるから、剣も使える。
あと、攻撃を防いだりするのにも役立つ。
自分の身体に鎧を着ている様な感じ。』
「以前、俺の木刀を折ったのはその力か。」
『うん。』
ローはしばらく黙って歩いていた。
「…それは俺もできるようになるのか?」
『うん。修行すれば誰でも会得できる。』
「教えてくれ。俺は強くならなきゃならねぇ。」
『もちろん。時間はかかると思うけど、きっと出来るようになるわ。』
「あぁ。」
ローは瞳に強い光を宿した。
…きっとローが覇気を使えるようになったら、私は勝てないんだろうな。
『あ、そうだ。ロー、覇気にはもう一つ種類があるの。』
「なんだ?」
『【覇王色の覇気】と言って、相手を威圧する力。
この覇気は使える人と使えない人がハッキリ分かれてる。
その素質がある人、それ即ち人の上に立つ、王の素質を持つと言われてる。
でも、私はまだ使える人に出会ったことはないし、おじさまもこの覇気の使い方は教えてくれなかったから、これ以上のことは私もよく知らない。』