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白を厭い、白に憧がる【ONE PIECE】

第4章 白い道【2】


ガチャー


『ロー、おはよう。』

「あぁ。」


ほら、また隈が濃くなってる。


ハートの海賊団にはちょっとしたルールが存在する。


そのうちの一つが食事は一緒に取ること。


ルール、と言うよりか、彼らにとってはそれが普通なのだろう。


だから、まだ起きてくる気配のないクルーより先にローが食事を取ることはない。



『何か飲む?』

「…コーヒーを頼む。」

『…了解。』



正直、今の彼にコーヒーなんて飲ませるべきではないのだろう。

でも、さっき少し見えてしまった。

彼の手に握られていた論文や医学書。



皮膚、鉛、中毒、循環器、免疫、珀鉛、転移…



あぁ、昨日は私のために眠らなかったんだ。







私はなんとも言えない気持ちになりながら、ローヘコーヒーを持っていった。


「悪いな。」

『ううん。」


ねぇ、貴方はいつもそうなの?

貴方はいつも自分の身体を蔑ろにして、患者に尽くすの?

それとも、、、



「…なんだ。」



…少し、見過ぎた様だ。



『ローは、、、ローの好きな食べ物はなに?』

「あ?」



我ながら、随分と適当な誤魔化し方だ。




「なんだ急に。」

『別に、、、今夜の献立、迷ってたから。』




ローは不思議そうにこちらを見た。





「…握り飯と焼き魚。」






目を逸らしてボソリと答えたロー。

焼き魚か、以前出した時、心なしか嬉しそうだった気もする。






『へぇ、意外。もっと凝ったものが好きなのかと思ってた。』

「和食ほど栄養バランスが良く、余分な油分やら塩分やらが控えられた食事はない。…別にそれだけだ。」







一向に目を合わせようとしないロー。

照れているのだろうか?

でも、ちゃんと答えてくれるところを見ると、かなり好きなのだろうか。



私が少し笑うと、次はローが質問してきた。





「…お前は、毎朝こんな時間から起きているのか。」

『ええ。朝日、好きなの。』





そうか、とローは答えて、ローはコーヒーを口に運んだ。
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