第3章 白い道
結局、麻雀はローの圧勝で終わったらしく、3人はブーブー言いながら部屋へ入っていった。
私も片付けを終えて部屋に戻る。
それから、いつかおじさまに会う時に話せるように毎日書いている日記を書く。
それが私の寝る前の日課。
おじさま、今日は初めて、私を恐れない医者にあったよ。
私はいつも隈を作った目つきの悪い海賊の医者の顔を思い浮かべた。
ーコンコンコン
こんな時間に誰だろう。
時刻は既に12時を過ぎている。
『はい?………あら、ロー、どうしたの?』
噂をするとなんとやら、、、
そこにはローが立っていた。
「まだ、寝ないのか。」
『いや、もうすぐ寝ようかと思ってた。…何か用があった?』
「…いや、それなら丁度よかった。」
ローは部屋に入ってきてドアを閉めた。
「…腕、出せ。」
『腕?』
私はローに掌を上に向けて両手を差し出した。
「鎮痛剤を打つ。打って五分程してから横になれ。痛みは緩和される筈だ。」
『でも、そんなの毎日やってたら薬勿体ないし、いいよ、別に。これくらい。』
「コレは痛みを我慢して治るもんじゃねぇんだ。黙って医者に従え。」
『…分かった。……ありがとう。』
ローは何も言わずに私の腕に針を刺した。
不思議、ローの注射は全く痛くない。
管の液体が少なくなっていくのを2人は黙って見つめていた。
「…お前、血液型は?」
『Fよ。』
「アレルギーは。」
『ピーナッツがダメ。』
「喘息は。」
『ない。』
「今まで薬の副作用が出たことは?」
『…病院なんて、行っても薬なんてもらった記憶もない。』
「…そうか。なら、身長は、、160といったところか。」
『うん。大体それくらい。』
「体重は?」
『えーっと、、、え!?体重!?』
「あぁ。」
『ロー、どうしたの?急に。なんてこと聞くの。』
今日のローは質問ばかりだ。急にどうしたんだろう。
体重なんて、、、おじさまにも聞かれたことないのに!