第3章 白い道
「いやアンタそれでも医者かい!」
「俺が飲ませようとしたんだ。別に何かあれば治してやるつもりだった。それくらいの後始末はする。」
「そういう問題じゃないでしょ、、、」
「ほら、大分薄めたから。これくらいならまぁ大丈夫。飲んでみろよ。」
「薄めすぎだ。」
「初めはくれくらいでいいの!」
ペンギンから渡されたグラスは先ほどの琥珀色とは打って変わって、ほとんどお酒が入っていないようなそんな色だった。
何故かローは私に酒を飲ませたがってるような気がする。
私はペンギンからグラスを受け取ると、一口飲んだ。
『…なんか変な味。』
「ほぅ、全く飲めない訳じゃなさそうだな。」
『もう分かったの?』
「あぁ。アルコールを受け付けない奴は一口飲んだだけで顔が真っ赤になったり卒倒したりするからな。」
『危な。』
「一気に飲んだら死ぬこともあるんだよ。お酒には気をつけてね?カラ」
『ベポ…うん、分かった。お酒って怖いね。
いや、それよりさ、ローさっきそんなの飲ませようとしたの?』
「俺がいる時はいい。急性アル中なんざで死なせるか。」
「うわぁ、一見男前に聞こえる、、、」
「だね。」
ローは相変わらず凄いペースでボトルを開けていく。
麻雀の中でもローは圧倒的なのは素人でもわかって、みんなはコテンパにやられたのだろう、沈んだ顔をしている。
「っだーーー!もう無理!勝てない!何回やっても!!」
「キャプテン強すぎ!もう訳わかんないくらい強い!」
「お前らが弱いだけだ。」
ローはいつもの不適な笑みを浮かべてボトルを煽る。
みんなの頬は色づいてきているけど、ローは顔色一つ変えずに淡々とゲームを進める。
「カラ、お前は何かできるゲームはないのか。」
『うーん、チェスとかリバーシとか、2人でやるものなら多少はできるよ。おじさまとはずっと2人だし、こういうのは覚えが無いから、、、』
「チェスか、、、悪くない。明日買いに行くぞ。こいつらはアホだから正直つまらねぇ。お前となら楽しめる気がする。」
「キャプテンひどーい。」
「考えてること筒抜けだ。隠す気あるのか?」
「キャプテンがポーカーフェイスすぎなの!」
ギャーギャーと喚く3人を尻目にローは相変わらずの笑みを浮かべていた。