第3章 白い道
「あっ!キャプテン!島だ!島が見えたよ!!」
ペンギンの声にみんなが甲板に集まった。
確かに、遠目に島陰が見える。
「やった!やっと島だ!」
「陸が恋しい!」
「ふぅ」
安堵したように気が抜けているのはベポ。
ずっと神経を張ってたのを私とローは知ってる。
『お疲れ様、最初の航海は無事終了だね。』
「…ご苦労だったな。」
「ふぇ、、、キャプテン、カラ、、、」
ベポはつぶらな瞳で私達を交互に見つめた。
…めちゃくちゃかわいい。
島が近くなると、街がかなり栄えているのがわかる。
これは御目当てのエターナルポースはいくつか手に入りそうだ。
「船は街から離れたところに付けろ。見つかると面倒だ。」
『あ、今回私船番するよ。』
「え!カラ、いいの!?」
『うん、いいよ〜』
「やった!」
それから、ローの言う通り、少し街から離れた所に船を着けると、ベポ達がこちらにやってきた。
「キャープテン。」
3人がなんかニヤニヤしながらローの前に並んで立ってる。
「「「お小遣いください!」」」
3人が一気に頭を下げて手を差し出した。
…ハートの海賊団はお小遣い制らしい。
他の海賊船がどうなのかは知らないが、大の大人の男の人がお小遣いをねだっているのが少し面白かった。
ため息を吐きながら3人に適当にお金を渡すロー。
ローからお小遣いをもらった3人は我先にと街へと繰り出してしまった。
『お小遣い制なの?』
「あぁ。アイツらほっとくと賭けやら酒やらに全部使っちまう。」
『なるほど。』
なんとなく想像できない事はない。
『…あれ、ローは行かないの?』
甲板にドカリと座り、上陸する気配のないロー。
久しぶりの島だし、上陸しないのだろうか。
「お前1人に船番させるわけねぇだろ。別に俺はまだお前を信用してるわけじゃねぇ。」
『別にどこにも行かないよ。ログポースも心臓も無いし。』
私はまだローには信用されてないらしい。
まあ、私もローにはあまり自分を晒せてないからお互い様と言われればそうなのだが。