• テキストサイズ

白を厭い、白に憧がる【ONE PIECE】

第3章 白い道


「痛みはないのか。」


『うん、最近はそんなに、』








…おかしい。



珀鉛病は痛みを伴う。



それなのに、アイツを乗せてからこの数日間、痛いと言ったこともなければ、そんな素振りも見せない。





ガキの頃、俺がまだ珀鉛病だった時、かなりの痛みだった。

耐え難く、いっそのこと死んでしまいたいくらいの時もあった。

今でも思い出すと顔を歪める。





少なくとも、俺たちの前で嘘でも笑っていられるほどの余裕なんざない筈だ。

とすると、最近はそうでもない、というアイツの言葉は、正しいのか?










昔から、人の顔色を伺って生きてきた。

人の表情の変化には敏感な方だ。





いくらカラが俺たちを警戒していても、苦痛に耐える表情くらいわかるつもりだ。


…少なくとも、俺に顔を見せている間は痛みに耐えているような表情ではなかったように思える。










だが、、、どうも違和感が拭えない。









確かに、四六時中痛むものではなかったし、末期でもないから、頻度としてそんなに高くないのは確かだ。






にしても、数日間1度も痛まないのはおかしい。













カラの場合、長期的な珀鉛の摂取が原因ではないからか?

俺の場合と根本的に原因が異なる。

一概に俺たちと同じとは言えないのか?






…わからないものは仕方がない。

さっさと船を手に入れて、治療に入れば自ずと見えてくる。

話はそれからだ。











ただ、痛むのならばすぐに言えばいい。

鎮痛剤くらいは持ってる。

痛みだけなら取れる。


ソレは耐える必要のない痛みだ。











だから、




「何かあればすぐに言え。」



今はこの一言に尽きる。
/ 291ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp