第2章 白い光
「各々、必要な補給は済ませたな?」
「「「アイアイ!」」」
「ならもうこの海に用はねえ。
俺たちは明日、グランドラインに入る。」
トラファルガーは私を含めた船員全員をテーブルに着かせ、腕を組みながらそう言い切る
その言葉に船員たちはそれぞれ異なる反応を示す
「明日か…いよいよだな!
な!ペンギン!」
「やべぇ。
いざとなったら俺めっちゃ緊張してきた…」
「でもボク、グランドラインの海が相手でも頑張るよ!
ちゃんとみんなを島まで連れて行ってみせるからね!!」
「なんかベポ、変わったな…」
「ふん」
興奮している様子のシャチさん、緊張気味のペンギンさん、覚悟を決めたベポ、そしてその様子を見て笑みを浮かべたトラファルガー
でもその笑みも長くは続かず、すぐに切り替えると鋭い視線を私に送った
「で、だ。
グランドラインにはどうやって入る?
街の人間に聞きはしたが…アイツら当てになりやしねえ。」
「ん?当てにならねえって?」
「揃いも揃って山を登るだのなんだの抜かしやがる。
意味がわからねえ。
…テメェはいつもどうやってグランドラインと他の海を行き来していた?」
先ほどとは一転、イライラした様子でテーブルを指で叩く船長さん
また一段と悪くなった人相の彼は不機嫌そうに再び私に目を向ける
『山を越えてよ。
ああ、もちろん船でね。』
「え?」
『レッドラインにあるリヴァースマウンテンという山よ。
えっと…あ、シャチさん、その紙借りても?』
「おう…?」
一度だけピクリと眉を顰めた船長さんを尻目に簡単に図を書いていく
みんな食い入るように手元を覗き込むからちょっとやりにくい
『まず私たちは今ここ、ノースブルーにいる。
それは大丈夫ね?』
「うん」
『明日私たちはここから南東方向に向かい、リヴァースマウンテンを目指す。ここからだと…多分半日もあれば着くんじゃないかしら。』
こっちに来る時は海賊の相手をしながらだったし、海流も逆だから数日かかったけど、こっちからならそれくらいで着くだろう