第2章 白い光
白熊さんに背中を向け、再び船への道を歩き出す
「…あ、あの!」
『?』
「…ありがとう……」
『…』
「ボク…目が覚めたよ…
まだ不安だけど…頑張るしかないんだもんね!」
そう言って私を見つめるつぶらな瞳の中には確かに芯があって、先程とは全然違ってた
私はもう一度彼に向き直って口を開く
『…そうね。
少なくとも私はそうして今までやってきた。』
「そっか。じゃあボクも頑張るよ…!」
グッと、柔らかそうな拳を作る白熊さん
固まった決意とは裏腹にふわふわの手は気持ちがよさそうで、思わず自分の顔が綻びるのがわかる
「あと、それと…」
『?』
「ボク、名前ベポって言うんだ。」
『ええ』
「白熊さんとかじゃなくて…ベポって名前で呼んで欲しいなぁと思って…
ほら、これからしばらく一緒に過ごすんだし」
少しだけ恥ずかしそうにしながらそう言う白熊さん
よくよく考えたら私も白熊白熊って…
『ごめんなさい…失礼だったかな…
じゃあ改めて…ベポ、これからよろしくお願いします。
私もカラって呼んで?』
「うん!
ボクの方こそよろしく!
グランドラインの海のこと、沢山教えてね!」
ベポはそう言ってひどく嬉しそうに笑った