第8章 白兵戦
「…今回の件はもういい。
だが、もし次同じようなことが起きたなら、一言くらい警告しろ。
…お前にコレを預けておく。」
『…小電伝虫。』
「戦闘時だけじゃねぇ。
別行動するときは常にそれを持ち歩け。」
『わかったわ。』
そう言うと、ローは海水を吸った服が不快なのか、風呂に入ると言って船室へ戻った。
「ハァ…」
ローは熱いシャワーを頭から被りながら、怒涛の数時間を振り返っていた。
…まさか軍艦沈めるとはな、、、
海のエネルギーを持つ海楼石は最も硬い物質としても有名だ。
軍艦の船底にも仕組まれていると言われている。
軍艦にどれほどの純度のものが載せてあるかは知らないが、純度の低いものでもそう簡単には壊せない。
…梶は主に木製とはいえ、多少海楼石は使われているはずだ。
それをぶった斬るとは思わなかった。
その辺りの船なんざ、下手をすれば真っ二つにできるんじゃないかとさえ思う。
島での戦闘では感情が先を行き、拍鉛関係以外での不安定な一面を見せたカラ。
しかし、今回の海戦はそれを感じさせないような冷静さを見せた。
博打のような戦い方だったが、あれもあれで悪くない。
キュッ
蛇口を閉める音が響く。
ローは乱暴にタオルで頭を拭くと、ズボンを履いてそのままシャワールームから出た。
肩にかけたままのタオルで顔に一筋垂れた水滴を拭くと、その向こう側に甲板で騒ぐベポ達とそれを見て笑いながら本を持つカラが目に入る。
…あれじゃどっちがガキだかわかりゃしねぇな。
ローは鼻で笑うと自室へと戻る。
その口角が少しだけ上がっていたのを知る者は誰もいない。