第8章 白兵戦
それからペンギン達は大きな袋を次から次へと持ち帰り、数往復した頃、私とローでガラクタとそうじゃないものとで分けていた。
とてもじゃないけど、これを全て置くにはスペースが持たない。
換金したらお金になるから場所取らなくていいんだけどなぁ。
医薬品はもっぱらローの手によってどんどん選別されていく。
ベポも横で手伝っていて、もふもふした手がまずは一眼見てわかるほどのガラクタや壊れた器具なんかを選別している。
在庫があるからこれはいらない、こっちの薬草は船で育てられる。
これは珍しいから取っておこう。
そんな風にどんどんと仕分けがされ、袋の中身が消えていく。
私は宝の方を見ていた。
あとでローがガラクタと分類した方も見てくれるだろうけど、何しろこっちも量が半端じゃない。
『…多分これは金属ですらないわね。
こっちは本物。この地図は複写の跡があるし、海岸線と山が近すぎるから偽物。
あとは、、、』
ガシャンガシャンと分けていく。
と、隣で手伝っていたペンギンとシャチが声を上げた。
「はぁ?アイツらの趣味か?これ。」
「貝殻集める海賊って、、、ガキかよ。」
シャチ達の袋の中にあったのは、さまざまな形をした貝殻。
それって、、、
『シャチ、ペンギン、それ貸して。』
「え?気に入ったのか?
じゃあ俺が後でネックレスにでも…」
『違う。それ、、、もしかしてダイアルじゃない?』
「ダイアル?」
ペンギンから貝殻のうちのひとつを受け取る。
確かこの辺を押したら…
ブォォォォォ!!
「うぉっ!」
「は!?風!?」
『…やっぱり、』
だとしたらこの量。
この船って密輸船か何かだったのかも知れない。
「なんだそれは。」