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白を厭い、白に憧がる【ONE PIECE】

第8章 白兵戦


「キャプテン!キャプテン!!」

「なんだ。」

「あの船見てくださいよ!カラが倒しちまったからほとんどもぬけの殻!!」

「…ほぅ、」

「ねぇ、キャプテン、行ってきてもいい!?」

「ふっ、あぁ。行ってこい。
宝に食料、それと医薬品なんかもだな。
めぼしい物は全て奪え。」

「「「アイアイ!!!」」」












ローの手当てを受けた3人は目をキラキラさせながら隣の大きな船に乗り込んでいく。

…うん。覇気で探る限りもほとんど人は居ないから大丈夫だろう。













「オイ、」












その声の方を向くと、ベポ達の手当てに使った救急箱を小脇に抱えて私をジトリと見るロー。

私はその左腕に少し違和感を覚える。











『なに?』

「…怪我は。」

『ないわ。』











確かに血は少し付いてるけどこれは返り血。

…少し付いちゃったか、、、












『ローこそ…その左腕。怪我してるんじゃない?』

「…大したことない。」

『ちゃんと手当てしないと…見せて?』

「自分でできる。」

『片手じゃやりにくいでしょう?
私も少しは手当ての仕方くらい習ってるから、、、』











私がそう言うと、ローはしぶしぶ腕を差し出してきた。

そこには少しの切り傷。

私が居た時は無かったから、あの後ついた物だろう。










『…良かった。そんなに深くないから縫わなくてよさそう。』

「あぁ。」

『これ、どうしたの?
切り傷だけど、、、刀じゃないでしょう。』












刀だったらもっと細く傷がつくはず…











「ベポの爆弾を外した時の爆風でガラスが飛んできた。
…思ったより規模がでかいの付けてたからな。」

『そう。』











消毒液を染み込ませた綿を用意してローの腕を取る。











『少し染みるわ。』

「…」











あまり痛くないように優しく当てる。

ローは身じろぎひとつせず、私の手元をじっと見る。

本当に瞬きひとつしないから、流石に気になる。












『…そんなに見ないで。
緊張する、』












ローほど上手くできないから、なんだか居た堪れない。
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