第8章 白兵戦
正直、カラが居て助かった。
「うわぁぁあ!!………は!?俺なんで生きてんだ???」
雑魚を切り刻みながらデカブツに近づき、そんなことを考える。
カラがいなければ、船の方の2人もベポも救出して出港するのはかなり難しかったと思う。
戦力を2分できるというのは選択肢が大いに広がる。
「うわぁ!!」
最優先はベポの首輪の解除。
そのためにはこの頭を潰す。
「…いいのか?
俺を殺せばこの熊の鍵は2度と手に入らないぞ?」
目の前に現れた俺に無様にもガタガタ震えながらそう言うバカ。
…俺の能力調べたんじゃねぇのか?
鍵なんか必要ねぇ。
「お前、救いようもねぇバカだな。
Roomーカウンターショック!」
バチィ!!!
「ーシャンブルス!」
ドカン!!!
ほぅ、思ったより規模のデカい爆弾付けてたんだな。
少し離れたところの石と首輪を入れ替えたが、ここまで爆風が来るとは。
本当に首につけられてたら頭と体がサヨナラするだけじゃすまねぇな。
おそらくどっちも粉々だ。
「オイベポ、起きろ!」
刀の鞘で腹を突く。
コイツ重いから出来れば自分で走ってもらいたい。
「ベポ!」
強めに突く。
どうせ動物用の麻酔でも打たれたんだろ。
何度か突いていると、ベポが少し顔を歪めた。
「アイアイキャプテン、ボク、、、」
「起きろ!ベポ!!!」
何寝言言ってやがる。
今度は頬を突くと、やっと目を開けた。
ぽやぽやしているようだが、すぐにハッとした表情になる。
「っは!、ペンギン!シャチ!!!」
「やっと起きたか。」
「キャプテン!!……ん?ここどこ?」
イチイチ説明してるヒマはない。
さっさと雑魚を片付けて出港だ。
「行くぞ。」
「?アイアイ!」