第8章 白兵戦
背中に庇ったペンギンとシャチの様子を一眼見る。
2人ともいくつか深手を負ってる。
止血しないとまずい。
『2人ともまずは止血!
こいつらの相手は私がするから!!』
都合よく私たちを囲むように広がる敵。
私は小夜でソイツらを蹴散らし、船の上から出す。
「っ、なんだコイツ!どこから湧いてでやがった!!」
「お頭が奪うって言ってた女じゃねぇか!?」
陸に敵を押しやると、私もそこへ降り立つ。
周りを見渡すと、そこに倒れている敵の数は決して少なくない。
2人の健闘具合が伺える。
でも、
『…許さない。』
何かを訴えるようにカタカタと小夜が震えているのがわかる。
でも、それ以上に2人を、そしてベポを傷つけたコイツらへの怒りが収まらない。
『早く視界から消えて。』
視界に入れておくだけで気分が悪い。
「なんだとこの女!!」
「相手は1人だ!さっさと畳んじまえ!!!」
突っ込んでくる敵達を薙ぎ払い、着々と地に沈めていく。
でも、まだ。
まだ、足りない。
私の怒りはこんなものじゃ収まらない。