第8章 白兵戦
「…」
『あら…』
中に足を踏み入れると、そこにはカジノは愚か、ルーレットのひとつもない。
そこに居たのは銃を構える黒いスーツを着た男達。
そして上座に座るのは巨体の大男。
「…まぁ、罠だとは思っていたが、、、早くねぇか?」
『そうね。
まさか何もないなんて。』
最初から向こうがそのつもりなら、手っ取り早くていいが、、、
ならば何のためにドレスアップさせてここまで呼びつけたのか。
船にいる間、いくらでも攻撃できただろうに。
「ハハハ、トラファルガー。
お前がこの島に来た時、俺は胸が震えたさ。」
「…」
「お前の首を取れば、俺の名は一瞬で世界を巡る。
するとどうなる?
俺の元に多くの金が手に入る!!」
後ろに控える男はそう言って高々に笑う。
…あいつがここの頭で間違い無いだろう。
「ハハ、く、ハハハッ!だが俺も馬鹿じゃねぇ!!!
サシでお前とやって勝てるとも思って無い上、自分の力、お前たち海賊団の力、全てわかってる!
まぁ?こんなにいい女乗せてるのはここに来るまで知らなかったがな。」
『…』
「コイツにもなんか用か?」
「あぁ。
昨日船の上にいるその女を見た時から決めていた。
その女、俺が貰い受けてやるよ。」
「ソイツはできねぇな。
コイツは俺の女だ。」
「そのお前が死んだら問題ねぇだろ!」
男が拳を床に叩きつける。
私とローは後ろに飛び退きそれを軽く避ける。
…この男、本気でローに勝てると思っているの?
私を盾にでもする気?
『まぁ、そうだとしても私も捕まらないけど、』
私は小夜を抜いて構える。
私の少し前ではローが既に鬼哭を抜いていた。
さぁ、早く片付けてこの汚いところから出よう。