第8章 白兵戦
コツコツとヒールを鳴らしながら一際大きな建物の前にたどり着く。
ローの差し出す手を取り、やたら長い階段を上がっていく。
「トラファルガー・ローだな?」
「あぁ。」
少しよれたスーツを着る男。
…あまり清潔感がなく、好感は持てそうに無い。
「…女もちゃんと連れてきたんだな。」
「俺の女だ。
…もういいだろう。さっさと案内しろ。」
ローは私の腰に腕を回すと、苛立ったようにそう声を掛けた。
…俺の女って、、、
そういう設定の方が動きやすいのだろうか。
私はそのまま空気を読むように、ローに身を預けた。
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「あー…暇。」
「カジノいいなぁ。
綺麗なカラ連れてさ、、、キャプテンいいなぁ」
「…暑い。
散髪してもやっぱり暑い…死ぬ…」
「「お前本当に暑苦しいな!!」」
「…すみません。」
「「打たれ弱!!」」
キャプテンに真面目に船番してろって言われたからちゃんと全員甲板にいる。
でも、正直暇だ。
「あーあ、なんか面白いことねぇかなぁ……」
思わず、そんな言葉が口をついて出てしまう。
と、
「うわぁ!!!」
「シャチ!?」
シャチの驚いたような声。
思わずそれらに目を向けると、陸から梯子をかけられたようだった。
「敵襲だ!!」
その声に今までダレていたベポも起き、俺たちも武器を取って臨戦体制を取る。
…キャプテンが居ない中、何も奪わせる訳にはいかない。
「行くぞ!」
「「アイアイ!!」」
俺たちはその声で一斉に敵に襲いかかった。