第8章 白兵戦
『…おかしくないかな、、、』
朝ごはんを食べて、自室に戻って支度をする。
今日カジノに出向くのは私とローだけで、3人は船番らしい。
ドレスなんて着るのは久々で、しかもショートドレスは初めてだからなんだか不安だ。
コンコンコン
「着替えたか。」
『あっ!うん、大丈夫!』
ガチャ
私の部屋に入ってきたのはロー。
ローも細身の黒いスーツを着込んでいた。
スタイルの良さが際立つ黒。
それを着こなすローはカッコいい。
「…見えねぇだろう?」
『え?』
いつもとは違うローの装いに気を取られて、ローの言っている意味を理解できなかった。
随分と間抜けな声が口から溢れる。
「アザだ。」
『あ、あぁ、、、本当だ。見えてない。』
鏡の前でクルクルと回ってみるけど、開いた胸元もギリギリ白いアザは見えていなくて、背中も髪で隠れているから暴れたりしない限りは見えない。
…もしかして、そういうのも全部計算して買ってきてくれたのかな、、、
「準備が出来たなら、行くぞ。」
『えぇ。』
私はローの後ろを着いて、リビングへの道を歩いた。