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白を厭い、白に憧がる【ONE PIECE】

第8章 白兵戦


そう言って再び私にドレスを突き返すロー。





私はもう一度ドレスを広げて見た。
















安物なわけがない。

この島では通常の何倍も物価が高い。

それを除いても補正も縫製も丁寧で、ほつれそうな箇所はひとつもない。











…でも、背中には少なからずアザはあったはず。

ここまで大きく開いていたらひとつくらい絶対見えてしまう。












「それが一番露出が小さかった。
背中は、髪を下ろしていれば見えない。」















私の考えていることがわかっている、と言うようにそう言うロー。

確かに、髪を下ろせば背中は隠れる。




















「…すまない。俺のミスだ。
いまいち相手の狙いがわからねぇ。
俺の首は当たり前だが、そのほかにも何か、、、わざわざお前を連れて来いと言うあたり、何か臭う。」


『?私を???』


「あぁ。…あんなレベルのカジノで女同伴のルールはおかしい。
俺の船に女がいることをアイツらは知っていた。
それでわざわざ連れて来い、と。」











確かに、何故私を?

ローの首を取るならローだけの方が楽なはず。

それに、私はおじさまがずっと隠してきたから私の存在を知る人なんていない。

母を殺した海賊の中では、私も死んだことになっているんだから。











「今日稼いだ金だけで物資の調達をしてさっさと次の島へ行こうと考えてその手の店にも行ったが、、、
先手を撃たれた後だった。
数が多い上、海上戦はあまりウチは得意としてない。」


『…頭を潰すしかないってこと?』


「あぁ、そうだ。」















ローは頷いて、わたしの目を真っ直ぐに見た。
















『…分かった。行くわ。』


「すまない。」


『いいえ、ローは悪くない。
ドレスありがとう。
凄く綺麗。』















ローはその言葉には何も言わずに、いつものように注射器を手に取った。






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