第8章 白兵戦
「うひょー!」
「久々だな〜腕が鳴るぜ!!」
そう言いながらニヤニヤと辺りを見渡すペンギンとシャチ。
…コイツらと離れたら絶対にダメだな。
100%カモにされる。
「…行くぞ。」
「「アイアイ!!」」
俺は1番の盛り上がりを見せている丁半の行われる場に足を進めた。
「んぁ?なんだ、お前もやんのか?」
「あぁ。悪いか?」
「いいや?賭け金持ってんならガキでも歓迎だ。
ほら、そこの空いてる席適当に使えよ。」
俺たち3人は並んで空いている席に着く。
「…これで足りるか。」
「あぁ、十分さ。
…何枚賭ける?」
「全部だ。」
「「キャ、キャプテン!?」」
「ほぅ、兄ちゃん度胸あるな。」
俺はチラリと台の上を確認し、振り師の女の目の前に座った。
「壺を被せて壺被ります!」
タン!
軽快な音を立てながら壺が台の上に叩き置かれ、中でサイコロがコロコロと回る。
「さぁさ!張った張った!!
丁か半か!!さぁ!どっちだ!」
その女の掛け声にいろんなところから半だ丁だと声が上がる。
隣でぷるぷるしている2人を尻目に俺は半だと言った。
「出揃いました!!
…勝負!!!」
その場の全員が女の手元のサイコロに集中する。
「二、五の半!!」
「「「ウォォオオオ!」」」
うるさいほどの歓声が響き渡る。
手元には大量の札。
「キャプテン凄い!」
「倍額だ!」
そんな声を聞きながら、俺は次の勝負へ進めた。