第8章 白兵戦
…随分と機嫌が悪そうなローを見ていると、悪いことをしたという意識はないのだが、申し訳ない気持ちが大きくなってきた。
なんとなく居心地が悪い。
かと言って謝るのもなんだか違う気がして、私はローの分のご飯だけおにぎりにして出すことにした。
出来上がった朝食を食卓に並べると、みんなは席に着く。
おにぎりが目に入ったローは少しだけ表情が柔らかくなった気がしないでもない。
私たちは今日の予定を話しながらご飯を食べ、その後は上陸する3人を看板へ見送りに行く。
「…行ってくる。」
『えぇ。気をつけて。』
「お前らもな。
昨日も言ったが、船に近づく奴らは斬り捨てていい。
手加減してやる必要もねぇ。」
『ふふ、わかったわ。
船は任せて。』
「…あぁ。」
「「じゃ、行ってきま〜す」」
『「いってらっしゃい!」』
ローとペンギン、シャチが見えなくなるくらいまで見送ると、私はベポと2人向き合う。
「暑い…死にそう、、、」
『大丈夫?
…あ、ねぇ、その毛皮少し刈ろうか?
そしたら少しはマシにならない?』
「え!いいの!?」
『えぇ。
…ただ、上手くできるかは分からないけど、、、』
「助かるよ!ありがとう!!」
ベポはそういうと、自分でビニールシートを持ってきてその上に乗った。